(2024年3月追加)

●広島県に現れた放射状の降水域は、雨雲が移動しても同じ場所に留まり続ける

2024年3月5日、広島県の雨雲レーダー画像に午前6時30分頃から午前8時30分頃まで放射状の降水域が現れた。こんな針のような直線状の降水域がありうるとは驚きだ。その範囲は広島県境を越え中国地方や四国にまで及ぶ。画像は日本気象協会のインターネットサイトからお借りした。

日本気象協会
放射状降水域


日本気象協会の雨雲レーダー画像はほぼリアルタイムで5分ごとに更新される。放射状降水域が発生する直前の午前6時25分から、消失する午前8時35分までの10分おきの画像をgif動画にしてみた。雨雲は西から東へと絶え間なく動いているが、放射状降水域は移動することなく同じ場所に留まっていることがわかる。広島県という場所に固着した目に見えない何かが、降雨に影響を与えているのだ。



このような放射状の降水域の存在は、気象学の常識にない。しかし、他の地域に存在しないかというとそうでもなく、一か所だけ私はその例を知っている。以前引用したことがあるが、千葉県と埼玉県の県境あたりに、東へ向けて放射状の降水域がたまに現れる地点がある。ただし気象庁の見解は「原因不明」だ。

気象学 4 雨雲レーダーで見た低気圧は4次元超球面の3次元断面

放射状降水域

この地点を中心に同心円状の降水域が現れることもある。驚いたことに、放射状の降水域と同心円状の降水域は同時に現れる。非常に幾何学的な性質だ。この降水域は、階層球列モデルの球体が降雨によって可視化されたものだと私は考える。階層球列モデルの球体として描くとこのようになる。

地震学 15 階層球列の球体を雨雲レーダーで可視化する

放射状降水域   放射状降水域シミュレーション

この図の描き方は次のようなものだ。球面に点線でらせん状の表面軌道を2本描き、真上から見て平面と見なす。球面らせんの回転数をうまく選べば、放射状と同心円状の両方の性質を持つ軌道を描くことができる。同じ要領で広島県の放射状降水域を描くとこのようになる。

広島県放射状降水域   広島県放射状降水域シミュレーション

広島県の放射状降水域の発生に早めに気がついたので、今回私は詳細な経時変化画像を取得できた。これらの画像には放射状降水域の重要な性質がいくつか現れているので指摘しておきたい。

まず放射状降水域発生直前の午前6時25分の画像から。広島県を西から東方向もしくは東南方向に青色の降水帯が横切っている。降水帯の形はつながった腸詰め状だ。線状降水帯を作るような最近の降水帯では特に珍しい形ではない。だが、よく見ると降水帯は、腸詰めを切断する方向(東北から南西方向)の細い筋が重なった横縞状になっている。画像中央下あたりで顕著だ。この横縞は腸詰め状の降水帯に固有の性質と考えるべきだろう。階層球列モデルで描くとこんな感じになる。球体の自転が公転に比べて早いと、このような模様が現れる。

3月5日6時25分   3月5日6時25分シミュレーション

ただし降水帯のこの横縞はいつでも観測できるようなものではない。そもそも階層球列モデルの球体は目に見えないから、雨が降らないとその存在に気付かないが、観測するにはその他にも条件がある。階層球列モデルの球体が連なってできる球列が、長区間にわたって磁気リコネクションを起こしたときにのみ、おそらくこの横縞は観測できる。これが地球でなく太陽なら、太陽表面現象が発する強力な電磁波によって磁気リコネクションが可視化される場合がある。これはNASAの太陽観測衛星TRACEが極紫外線で撮影したフレアの画像だ。拡大するとこのフレアには広島県の腸詰め状降水帯と同じような横縞がある。

TRACEの見たフレア   TRACEの見たフレアシミュレーション
太陽 フレアとプロミネンス  4 親球表面2軌道がぴったり重なって発生したフレア

6時35分の画像から放射状降水域が形成され始める。この画像では横縞状の降水域と放射状の降水域とが共存している。6時55分の画像では放射状降水域が卓越しており、その大きさは広島県の県境を越える。この放射状降水域は同じくらいの大きさのまま7時45分まで存在し続ける。7時55分にいったん消えるが8時5分にまた復活し、8時35分まで存在する。その後見えなくなるが9時35分に部分的に復活し、9時55分に消える。不思議な挙動だ。本当に放射状降水域が消えたり現れたりしているかは定かでない。観測ノイズもあるだろうし、球列は雨雲がその場所に重なって初めて可視化されるからだ。

6時35分   6時55分


7時55分   8時5分


9時35分   9時55分


9時5分の画像を拡大すると、広島県の東の岡山県の中部や北部の青い降水域に、さざ波のような非常に細かい模様がある。同心円状にも直線状にも見える。雨雲が移動しても位置は変わらないようだ。この模様は放射状降水域が形成される前の6時25分の画像にも存在しているから、ノイズではないだろう。これも階層球列モデルの球体と思われる。広島県を覆う放射状降水域の階層を子球と仮定すると、この模様はそれよりも階層が上の孫球という可能性もある。実際のところ階層とは相対的な概念で、親なのか子なのか孫なのかにそれほど大きな意味はない。

9時5分   6時25分

これほど微細な降水域模様があるなら現地ではさぞかし規則的な雨が降っているだろうと想像したくなるが、おそらくそうではない。階層球列モデルの球体が作る雨雲レーダー画像の濃淡は、降水量に直接比例しない。雨雲レーダーが観測するのは雨滴によって反射される電波だ。この電波と、階層球列モデルの球体の表面軌道から放射される電波とをレーダーは混同してしまう。もちろん磁気リコネクションの作用によって実際に雲量が増えることもあるだろう。

●ブライトバンド

埼玉県境に前述の大型の放射状降水域が現れた日、遠く離れた若狭湾付近に小型の二重円降水域が観測された。埼玉県境の巨大な球体を親球とすると、この球体は子球と考えられる。以前私は階層球列モデルでこのように描いた。

二重円降水域   二重円降水域
地震学 15 階層球列の球体を雨雲レーダーで可視化する

だが、この二重円降水域はよく知られたブライトバンド現象だという意見もあるだろう。ブライトバンドとは、レーダーが放つ電波が上空の融雪層で反射されてできる見かけの円形降水域だ。
InfoseekNews:雪はすぐそこまで「ブライトバンド」が出現

ブライトバンド

しかし、この二重円降水域は子球だと私は考える。ブライトバンドの原理では降水域は二重円にならないはずだ。

ところがややこしいことに、二重のブライトバンド現象を観測したという論文が40年も昔にある。ブライトバンドの高さや幅、レーダーエコーの移動速度を実測しているので信憑性がある。だが、この論文の「ブライトバンド」は階層球列の球体の超球面らせんの内管の特徴を備えている。上から見た形が正確な円形ではなく、横から見た形がかなとこ雲のような逆円錐に似た形をしているからだ。

同時に異った高度に現われたブライトバンド
ブライトバンド論文写真   ブライトバンド論文写真シミュレーション   

この論文のブライトバンドは、常に観測域の全域に存在するのではない。時刻によって雲の特定の高さにできたり消えたり移動したり上下したりする。球体(子球?)表面の球面らせん軌道の球列(孫球列?)の移動や磁気リコネクションを、エコーの動きとして記述していることになる。エコーの移動する向きが雲の左右で逆になったりするのはおそらくそのためだ。二重になったブライトバンドの高度が異なるのは、超球面らせんのほぼ水平で平行な軌道を観測しているからだろう。なお、論文の写真には雲の中央が高くなっているものがあるから、この雲の外形は以前私が推定した二重円降水域という可能性もある。

ブライトバンド論文写真   ブライトバンド論文写真シミュレーション   


アメリカでは、通常のドップラーレーダーではなく二重偏波レーダーを使用し、降水域の形をより詳しく検出する研究が行われているそうだ。水平方向と垂直方向の両方の電波を用い、ブライトバンドを高精度で検出できるという。この画像の黄色い円がブライトバンドだ。二重円ではなく一重円だからその可能性はある。

An educational blog by a female storm chaser / meteorologist, who blogs about the science of meteorology and other weather related subjects
二重偏波レーダー降水域

ブライトバンドの中心にレーダーが存在するなら、気象レーダーの電波の反射によるブライトバンドと、階層球列モデルの球体が作るブライトバンドとは別物ということかもしれない。階層球列モデルの球体と気象レーダーとが重なるとブライトバンドが観測されやすいという可能性もある。

インターネットにはブライトバンドの中心にレーダーが存在しない場合があると主張するサイトがある。専門家に検証して欲しい。
さすらいの「天才?」プロトタイパー「フーテンのハル」:ブライトバンド・リング


ところで、興味深いことに前述の降水域の全体は円形ではなく多角形に見える。階層球列モデルで二階層の球体を用いると似た形を描画できる。

二重偏波レーダー降水域   二重偏波レーダー降水域シミュレーション

軌道を一本から二本に増やすともう少し似た外形になる。この描画は「雲の球体の南半球」だけを描いたものだが、「雲の球体の北半球」も付け加えるともっと似た外形になる。降水域の左上にある青い線状の部分は、付け加えた赤い軌道に重なっているようにも見える。以上のことから考えると、この降水域は「子球と孫超球の階層的な組み合わせ」の軌道が何種類か重なって作り出されたのではなかろうか。

二重偏波レーダー降水域シミュレーション   二重偏波レーダー降水域シミュレーション

●円形降水域の描画

2017年5月12日、静岡県浜松市の雨雲レーダーに突如円形の降水域が表示されたことがある。豪雨を示す赤色だったが、このとき浜松周辺に雨は降っていなかった。気象庁いわく、レーダーの不具合だそうだ。雨が降ってないとレーダーからの電波が反射されるはずがないから、気象庁としてはそう考えるしかないだろう。この円形降水域は階層球列の球体が作った可能性が高い。球体の表面軌道で磁気リコネクションが起きたのだろう。

togetter:雨雲レーダー上で浜松市に謎の円形雲? 第16使徒アルミサエルのようだと話題に
浜松市の円形降水域

「4次元超球の3次元断面」として描画するとこんな感じだろうか。表示された円形降水域の放射状の分布を再現している。

浜松市の円形降水域

これは典型的な「4次元超球の3次元断面」を水平に薄切りにして上から見た形と思われる。中心に内管のあるドーナツ状だが、内管はレーダーで検出されないと考えられる。外周が上昇気流であるとき内管は下降気流になるので、内管には雲が発生しないからだ。
浜松市の円形降水域シミュレーション   浜松市の円形降水域シミュレーション

なお、この場合円形軌道の半径の大きさ(ドーナツの穴から近いか遠いか)はおおむね軌道の高度に対応する。したがって円形軌道の半径の大きさは融雪層の高度に対応しているように見えるはずだ。

浜松市の円形降水域シミュレーション   浜松市の円形降水域シミュレーション


階層球列モデルの球体には大きく分けて二種類ある。地下でプレートテクトニクスや地震の原因になる球体と、空中で降雨の原因になる球体とがある。前者の軌道(地球表面軌道)はその場所から移動せず、後者の軌道(偏西風軌道など)は人間にもわかる速度で移動すると思われる。広島県に現れた放射状降水域は前者だが、降雨にも影響する。後者は気象学で扱われるべきものだ。たとえば3月12日に関東地方に強い雨が降り、特徴的な形の降水域が現れた。形を少しずつ変えながら西から東へと移動したから、前者の土地に固有の球体によるものではない。「4次元超球の3次元断面」として描くとこんな感じだろうか。ただし、空中の球体は素早く形を変えるので描画の信頼性は低い。

3月12日降水帯    3月12日降水帯シミュレーション

地下でプレートテクトニクスや地震の原因となる球体には、通過経路となるそれぞれ固有の軌道がある。球体はこの軌道上を移動するが、軌道そのものの位置は同じ場所から移動しない。私がそう推測する根拠となった図を最後に挙げておく。以前も引用したことがあるが、日本地図に地震の震源や火山を描き入れたものだ。

火山と震源図

図の左下の沖縄あたりを拡大して注意深く見ると、九州ほどの大きさの赤(や橙色)の同心円がある。同心円の形が確認できることは、球体が通過する軌道が短期間には移動しないことを証明している。同心円の円周には赤い小さな円がいくつかある。大きな同心円を親球と仮定すると、小さな円は子球ということになる。同じような同心円は、不明瞭だが伊豆沖や東北沖にもある。これらの同心円はプレートテクトニクスのプレート境界や断層とおおまかに一致しているから、球体が通過する軌道は大域的には移動しないと思われる。だが、親球が励起して親球半径が増大したり、親球表面の球面らせんの形が変わったりすることはあると思う。その結果子球の新しい通過経路(子球軌道)ができる。子球が励起して新しい孫球軌道ができることもある。その結果、親球軌道の周辺に多数の新しい軌道ができ、新しい断層の元となる。ただし、階層球列の球体の励起の仕方は物理法則に従うので、それらの新軌道は原理的には予測可能ということになるだろう。



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