●プレート内地震(深発地震)

断層地震説では説明できない現象がいくつかある。その一つは、深さ600q以上の深発地震だ。

ウイキペディア:深発地震

深発地震はプレート境界ではなく沈み込む海洋プレート(スラブ)の内部で発生する。深発地震でも深さ400qくらいまでは、プレートの破壊と摩擦すべりという現行理論で説明できる。しかし、それよりも深い場所では岩石の脱水反応が減少し、また周囲の岩盤の圧力が増加して断層運動のようなすべりが起きにくくなる。つまり、現在の地震理論では深さ600q以上の深発地震は説明できない。だが現実には深さ650qあたりまで地震は起きる。これは深さ600qあたりに親球や子球が存在し、磁気リコネクションを起こすからだと私は考える。


東北地方の太平洋側では深発地震の発生面は上面と下面の二段に分かれており、これを二重深発地震面と呼ぶ。上面と下面はだいたい平行で間隔は数十qくらいと言われている。だが現在の地震理論では二段に分かれている理由を説明できない。

防災科研:5.2 スラブ内地震
二重深発地震面

二重深発地震面はなぜ存在するのだろうか?二重深発地震面は世界のプレート沈み込み帯のどこにでも存在しているのではなく、東北地方の太平洋岸や、北海道・千島列島南部などで見られる。階層球列モデルで考えると、この地域には2本の「子球の空間軌跡の地表との断面」が並走している。深発地震面の上面と下面は、東北沖西側地震帯および東北沖東側地震帯と私が呼んだものにそれぞれ由来すると思われる。

海洋プレートが沈み込む原理は以前説明したとおりだ。東北地方沿岸を北上する2本の軌道の親球列の東端は、本州の太平洋岸から200kmくらいのところに位置する。親球表面軌道の子球は、親球東端の浅い地下で磁気リコネクションを起こす。それによって熱が発生し、海洋プレートが部分溶融して自重で地下に沈み込む。この地点で海洋プレートがわずかに上に湾曲しアウターライズができる。その後も海洋プレートは西へ移動し、アウターライズを過ぎると冷えてまた固まる。そして直線状に日本列島の下に沈み込む。ここまでの過程で、プレートはいったん溶融して固まった部分に大きなひずみをためこんでいる。その後日本列島周辺の地下でプレート間の摩擦により岩盤の応力が限界まで高まり、いったん溶融して固まった部分が破壊されると深発地震になる。「子球の空間軌跡の地表との断面」が2本並走していると、海洋プレートの内部に部分溶融した部分が上下二段にできるのだろう。

だが、深発地震のエネルギー源が海洋プレートに蓄えられたひずみであったとしても、磁気リコネクションがトリガーになっている場合があるかもしれない。二重深発地震面で発生する地震の震源分布は実際には単純でなく、親球表面軌道の子球の空間軌跡らしき形が見られることがある。この資料のfig.3のL図では円周状、M図ではらせんを横から見たような形の震源分布が見られる。

東北日本弧における二重深発地震面と発震機構

なお、東北地方北部では二重深発地震面の上面と下面が融合しているように見えるが、この地域では東北沖東側地震帯がやや西へ方向を変えて東北沖西側地震帯とほぼ重なるからと思われる。


前述の 防災科研:5.2 スラブ内地震 の資料によると、東北日本(東日本)の太平洋側でもプレート内で力の方向がまちまちの巨大深発地震が起きている。これは磁気リコネクションが地震のトリガーになっているのではなく地震そのものを起こしている例だろう。地球表面軌道の往路と復路のそれぞれの親球の間で磁気リコネクションが起きたと思われる。南海地震や東南海地震と同じ原理だ。

巨大深発地震

ところで、ペルー・チリ海溝では地表から300km付近までに深発地震面があるが、それ以深ではなくなり、600km付近で再び現れる。また、世界中で起きる地震の深さごとの発生頻度を調べると、深さ30qと深さ600q付近に大きなピークがある。深さ300km付近では地震はあまり発生しない。

また、沈み込みつつある海洋プレートは深さ670qあたりで再びぐにゃりと曲がることがあると地震波トモグラフィーで確かめられている。これらのことから判断すると、深さ300q以上の深発地震は、地球表層ではなく地球内層の親球列の磁気リコネクションによるものではなかろうか。地球内層の深さ600qあたりに中心がある親球で、磁気リコネクションによって地震と熱が発生していると思われる。



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