(2022年3月追加)
火山を噴火させるほどではなくとも、階層球列が地下で小規模な磁気リコネクションを起こし、熱で岩や砂を局所的に融解させる場合がある。溶融した岩や砂は、その後冷却に伴って球列の形状を残したまま凝固する。後にそれが隆起や侵食によって地上に現れると、珍しい形をした奇岩になる。
たとえばアメリカのアラバマヒルズは数多くのアーチ岩や花崗岩の巨石で知られる。花崗岩は火成岩の一種で、地下でマグマがゆっくりと冷えて固まった深成岩だ。アラバマヒルズにはメビウスアーチをはじめとする「曲線に沿った正弦波を軸回転させたような」形のアーチ岩が随所に見られる。私が太陽についての文章で立体正弦波と呼んだ形状だ。メビウスアーチは、孫球表面軌道をひ孫球列が移動することによってできる地形だと思う。
ひ孫球の中心軸は孫球表面軌道に沿う。厳密に言うと、メビウスアーチを輪切りにした断面は円形ではなく楕円形をしている。ひ孫球表面軌道のひひ孫球列に三角関数状のポテンシャル分布があるからと思われる。個々のひひ孫球の磁気リコネクションはひ孫球の特定の子午線上で極大となると思われる。たとえばひ孫球の経度0度と180度とで磁気リコネクションが強くなり、発熱量も経度0度と180度とで極大になる。この経度はひ孫球が孫球表面軌道を移動するにつれて少しずつずれ、たとえばひ孫球の経度マイナス10度と170度に変化する。その結果ひ孫球の発熱点の軌跡はメビウスの輪に似たものになるのだろう。次の写真で地表に円環状に露出しているのはひ孫球の断面ではなかろうか。経度0度と180度とで奇岩が巨大になっているように見える。
Evanescent Light:Alabama Hillsアラバマヒルズの奇岩群を離れた場所から見ると、孫球の断面のように同心円状になっているのがわかることもある。
From Snow to Sand: Riding in the Alabama Hills and Death Valley
また、砂が溶融するほど極端な高温ではなくとも、磁気リコネクションによって発生した電荷が砂の化学変化を促進し、砂が砂岩になることがあるようだ。堆積物の砕屑粒子間の隙間に鉱物が析出・充填することによって凝結し、堆積物がいわば"天然のセメント"となる現象をコンクリーションと呼ぶ。
ウイキペディア:コンクリーション
砂岩中のコンクリーションの成因はまだわかっていないが、正に帯電したコロイド状金属粒子あるいは正イオンが電荷と結合して沈殿もしくは析出するのが原因ではなかろうか。コンクリーションは通常球形あるいは卵形だが、円板状、管状、ブドウ状または泡状など様々な集合体をなしていることがある。どれも球列の磁気リコネクションが作ることのできる形状だ。
ウイキペディアには「セプタリアン・コンクリーション」の断面図が載っている。セプタリアと呼ばれる割れ目状の構造の形成プロセスは不明だ。この画像のセプタリアは大まかに縦長の]字型をしており、超球面らせん軌道の内管の断面に似ているように見える。
超球面らせん軌道を二つ割りにした断面に露出する球列を大まかにシミュレーションしてみた。コンクリーションを形成するのは、磁気リコネクションによる電荷が多く発生する中心部だ。超球面らせん軌道の中心に近いほど球列の球体は大きく、磁気リコネクションも大規模になる。それぞれの球体の中心軸は超球の中心軸方向を向き、磁気リコネクションは各球体の赤道で起きていると考える。
ニュージーランド南島のモエラキ海岸のモエラキ・ボルダーはセプタリアン・コンクリーションの好例だが、割れた球状コンクリーションを見ると内部には小球体が多数存在するようだ。
Wikimedia Commons:Moreaki Bolder - panoramioカザフスタンで見つかったこの球形の岩もコンクリーションかもしれない。同心球殻状だ。表面軌道が励起せず、球面らせんのままだったのだろう。
English Russua:Huge stone spheres in Mangistau, Kazakhstanアメリカのビスティ・デナジン荒野の奇岩列も球列と思われる。岩の側面は侵食が進んでいるが、岩の上部にはおなじみの球面らせん頭頂部のアルファベットl字型模様が残っている。
Pinterest:Cracked-Egg's-Bisti-Badlands-32台湾の野柳地質公園には砂岩でできた奇岩が多数ある。「円錐台の中心に突起がある岩」が列になっており、ろうそくが並んでいるように見えるところから燭台岩と名付けられた。球列と思われる。
ウイキペディア:野柳風景特定区この写真を見ると、個々の燭台岩は円環と中心部で構成されており、風化紋は下部ほど大きく広がっているように見える。
台湾観光局:野柳地質公園 写真2これらから推測される形状は超球表面軌道の砂時計のような形をした内管だ。この公園のシンボルとなっている女王頭(クィーンズヘッド)も超球面らせん軌道の内管かもしれない。
ウイキペディア:野柳風景特定区世界には砂時計が風化したような形の奇岩がさまざまな場所に分布している。ただし、地球表面軌道に地理的に近い場所に限られるだろうが。この写真はアメリカのアーシスレパー・ウイルダネスにある奇岩「エイリアンの玉座」だ。この岩塔は網目状の中空構造に見える。これも超球面らせん軌道の内管だ。
Twitter:伊藤伸平超球面らせん軌道の内管と思われる奇岩はほかにもいろいろある。軌道をシミュレーションできるものも存在する。
John Fowler:Daliしかしアメリカにはこれらをさらに上回るような特異な造形の奇岩がある。「エドマイヤーの秘密」だ。
Universities Space Research Association.:Edmaier’s Secret表面軌道が斜めに走り、「エイリアンの玉座」と同じく岩の内部はほぼ空洞に見える。しかし何より奇異なのは、岩塔を取り囲むように何本も縦に伸びた細い紐のような岩だ。こんな縦紐状の岩がなぜできるのだろうか。おそらくこの岩の生成原理は気象学の項で述べる多重渦竜巻と同じだ。多重渦竜巻では、やや大きな竜巻(親渦)の周囲を小さな竜巻がいくつも回転する。多重渦竜巻が生成するとき、孫球内管の斜めになった表面軌道のひ孫球列が整列すると考えられる。ある瞬間に個々のひ孫球がすべて上を向き、上下に接する軌道のひ孫球の中心軸が縦一列につながる。ひ孫球が縦一列につながった瞬間磁気リコネクションが起きて岩が溶融し、その後冷却して石化したと思われる。
アラバマヒルズやアーシスレパー・ウイルダネスはアメリカ南西部に位置している。付近には巨大な赤い岩の絶景で知られるセドナもある。セドナは元々ネイティブ・アメリカンの聖地の一つで、有名な観光地になっている。レッドロックと呼ばれる巨岩がいくつもあるが、この写真はその一つベルロックだ。階段状の地形は、励起して多層になった超球面らせん軌道に見える。セドナは世界最大のパワースポットとも呼ばれ、目に見えない渦巻きvortexが立ち上っていると言う人もいる。その渦巻きはひょっとしたら超球面らせん軌道の形をしているのかもしれない。
Wikimedia Commons:Rock formation at Sedona2022年3月の時点で、私に可能な地球表面地形のシミュレーションを載せておく。大陸の輪郭はなだらかに変化しているので、地球と祖球を仮定するだけでおおまかな地形は描けるようだ。ただし、日本南海のフィリピン海プレートの輪郭は小刻みに変化し角ばっているので、ここだけは親球の励起を考慮した曲線に変更した。この周辺の親球はポテンシャルが高く、励起して巨大化していると思われる。
Oceanography: Oceans2022年3月の時点で、私に可能な地球表面の地震分布のシミュレーションを載せておく。震源が作る軌道は小刻みに曲がっているので、地球と祖球のほかに親球の存在を仮定するのは必須だ。しかも、日本南海のフィリピン海プレートの周辺には明らかに軌道から外れた地震帯が存在するので、ここだけは祖球と親球の励起を考慮した軌道を並置した。励起前の祖球と励起後の祖球を比べると、半径比は4倍だ。同様に励起前の親球と励起後の親球を比べると、半径比は4倍だ。なお、このシミュレーションでは祖球と親球の半径比は5倍と仮定している。
気象庁:地震発生のしくみ(旧震央分布図)地球表面軌道だが地表に明白に現れていない部分を追加してみた。
祖球や親球の励起を考慮すると、地球表面で地震が起きる可能性のある地点はどんどん増える。これはフィリピン海プレート周辺以外の場所も祖球が励起したと仮定した場合のシミュレーションだ。
地震の位置だけでなく、地震の頻度をシミュレーションするためにグラデーションを使ってみた。ただし、あくまで擬似的なグラデーションなので、厳密に数値的に対応しているわけではない。現状ではこの程度のシミュレーションが精一杯と思われる。軌道のポテンシャルを正確に反映したシミュレーションが将来可能になれば、改訂することにしたい。
気象庁:地震発生のしくみ