(2023年6月追加)
前回の考察から、アフリカ大地溝帯の火山は地球表面軌道が交差する地点に位置することがわかった。階層球列モデルでは、異なる球体が互いに重なると磁気リコネクションが起きることがあると考える。互いに異なる地球表面軌道に属する球体は、多くの場合互いのポテンシャル差が大きい。したがって磁気リコネクションが起きた場合に発生する熱量が巨大になり、火山噴火に十分なエネルギー量に達すると考えられる。
以前も紹介したことがあるが、異なる球体が互いに重なったときに火山が噴火するという階層球列モデルの仮説に沿う動画がある。ご承知の通り富士山は日本のもっとも有名な火山だが、この動画の富士山にかかる笠雲を観察すると、右回りと左回りの相反する向きに回転している。右回りの笠雲と左回りの笠雲はそれぞれ別の球体の現れだと思う。この動画は貴重であり必見だ。
富士山はアフリカ大地溝帯の火山と立地条件が同じで、地球表面軌道の交差点に位置する。以前この動画を引用したとき、「中央構造線や南海トラフの延長線に沿って東へ移動する親球の子球と、伊豆諸島に沿って北上する親球の子球とが重なった可能性もある」と私は述べた。この動画が撮影されたとき、子球と子球の重なり具合によっては、富士山が噴火する可能性があったと私は思う。このとき富士山が噴火しなかったのは日本人にとって幸いだったろう。
このときの富士山の笠雲を単純に吊るし雲(レンズ雲)とする考えは当たっていないと思われる。気象学では吊るし雲は多層構造になるから球体に見えることもあると考えられているし、実際に多層構造の笠雲が出現することもあるだろう。だが、たとえばこのサイトでは、富士山直下の観測者が吊るし雲を「渦巻状」と形容している。「同心円状」とは述べていない。そもそも引用した動画のように笠雲が左右逆方向に回転し始めるなどという現象は、気象学的にはありえないだろう。
渡辺英一・田毎の富士バロン日記:7・27渦巻状になっている超巨大な吊るし雲(富士吉田市)地球表面軌道に存在する火山には階層球列モデルの球体が重なることがある。先の動画から判断すると、球体の状況は30分ほどで変化するようだ。それでは笠雲として観測する以外に、火山に重なった球体を可視化したり検出したりする手段はないだろうか。微弱な球状異常磁場とか球状異常重力場とかを検出できればいいのだろうが、それも難しそうだ。だが、いつでも可能というわけではないが、簡易な可視化の方法があるかもしれない。降水域によってこの球体が存在する領域を識別できる可能性がある。階層球列モデルの球体は低気圧や降雨に影響するはずだからだ。
そこで、伊豆諸島を含む地域の雨雲レーダー画像を見てみたい。伊豆諸島とは、関東地方の南海を南北方向に通る地球表面軌道が、火山列を形成し島弧になったものだ。富士山ほどの巨大火山はないが、どの島も小火山と考えていい。異なる地球表面軌道に属する球体ではなく、同じ地球表面軌道に属する球体が重なって磁気リコネクションを起こし、火山になったと考えられる。互いの球体のポテンシャル差が小さいから、どの島も小火山にとどまっている。
伊豆諸島にはたまに特徴的な形の降水域が見られる。日本気象協会による2023年6月2日の伊豆諸島の雨雲レーダー画像をご覧いただきたい。この日は台風が北へ押し上げた前線が日本列島を縦断し、各地で豪雨による大きな被害が出た。画像を見ると、島ごとに円形の降水域が重なっている。画像中央から下にある八丈島と青ヶ島は、どちらもほぼ真円の降水域を保っている。画像の中央上部にある三宅島と御蔵島は、互いに近接しているためふたつの円が重なっている。これらの円形降水域はすべて半径が等しいようだ。
日本気象協会三宅島と御蔵島の円形降水域が重なっているのは、6月3日の画像を見ればもっとよくわかる。円が重なった部分で、雨量を表す青が濃くなっている。この画像では八丈島と青ヶ島の降水域が小さくなっているが、島に重なった球体が小さくなったのではなく、雨雲が移動して球体が不可視に戻ったのかもしれない。
これらの降水域が円形であるだけで、島に階層球列の球体が重なっていると断定することには異論もあると思う。島の中央には数百メートルの高さの山が存在するから、上昇気流が生じて雲ができやすい。そのため島の周りに雨が降りやすくなっただけだという意見もあるだろう。だが、画像の降水域は風向きに関係なく正確な円形になっている。6月3日11時の画像を見ると、上昇気流による降雨効果は風上となる三宅島北部にだけ現れている。12時30分の画像を見ると、島に伴う雲は三宅島の北にも新島、伊豆半島と続いている。この先には当然富士山がある。余談だが、これらの画像で伊豆諸島に重なった球体が降水域によって可視化されているのは、5日ほど前に伊豆諸島で群発地震があり球体が活性化していたせいもあるかもしれない。
そもそも階層球列モデルの球体がなぜ降雨に影響するのかという根本的な疑問をお持ちの方もいるだろう。降雨が生じる仕組みそのものが磁気リコネクションに影響されるからと私は考えている。階層球列モデルの球体の磁気リコネクションは電荷を発生させる。2005年の実験では、空気中において電子が雲の核形成の触媒として作用することが明らかとなっている。球体の磁気リコネクションが雲の形成を促進するなら、雨量が増えてもおかしくない。
だが6月2日の雨雲レーダー画像を見ると、円形降水域の雨量は増えるどころか減っている。雲は形成されるどころか消えていると指摘される方もおられよう。なるほど場合によって円形降水域の雨量は増えることも減ることもありそうだ。一般に雲が消えるのは、気温が上がるか下降気流が生じるときだ。磁気リコネクションによる気温上昇効果が電荷による雲生成効果を上回った場合、降雨が減少するのではなかろうか。
そもそも円形の領域で雲が消えると聞いて、私が最初に連想するのは穴あき雲だ。ウイキペディアによると、穴あき雲の生成原理は次のようなものだ。「層状の雲を構成する雲粒が、氷点下にありながら凍結していない過冷却の状態にあって、ある一点で凍結が始まると、飽和水蒸気圧の差によって周囲の水滴が蒸発して氷晶表面に昇華し、氷晶が急速に成長する。」「そして、成長した氷晶は落下を始める。これにより、雲に円形の穴が空き、その中心付近から筋状の尾流雲が降りる」とのことだ。
だが、この原理で本当に「その中心付近から筋状の尾流雲が降りる」ものなのだろうか。氷晶がその場から真下にパラパラと時間差で落下してできる尾流雲の形は、逆円錐に過ぎないと思うのだが。この画像のように下部が収束して筋のように伸びるものだろうか。
それよりも、「4次元超球の3次元断面」の形の超球が磁気リコネクションを起こし、その領域の気温が上昇したから雲が消えたと考える方が簡単な説明だと思う。尾流雲とは「4次元超球の3次元断面」の内管だ。
ところで、アメリカでは高速移動する穴あき雲が撮影されたことがあるそうだ。ふたつの穴あき雲が接近したり離れたりして遠くへ消えていったらしい。もし穴あき雲が過冷却によってできるのであれば、移動するはずがない。この穴あき雲は、親階層の球体の表面軌道を子階層の球体が移動していると思われる。ただし、こうなるとこの球体は火山には関係なく気象学の範疇に入るだろう。
地球の記録:米国ワシントン州に出現した「寄り添いながら高速で移動するふたつのホールパンチ雲」の正体気象現象として考えるなら、以前も私は雨雲レーダー画像の降水域が完全な円形になる場合があると指摘したことがある。この画像では能登半島と若狭湾の間に濃い青色の二重円の円形降水域が存在する。右に拡大画像を並置する。
雨雲レーダーで見た低気圧は4次元超球面の3次元断面この現象はブライトバンドと呼ばれ、一重円の円形降水域ならばそれほど珍しいものではない。気象レーダーの電波は粒が大きいほどよく反射するので、雨や雪よりもみぞれの方が強く反射する。そのため上空にみぞれの層があると、レーダーを中心として環状の強い降水域が観測されると考えられている。だが、この原理だと二重円の円形降水域は説明しにくいのではなかろうか。雪が溶けて雨に変化するみぞれ層が二層重なっていることになってしまう。
InfoseekNews:雪はすぐそこまで「ブライトバンド」が出現この二重円降水域は、階層球列モデルの球体ではないかと私は考える。二重円降水域の画像をよく見ると、内側の円の方が色が濃い。また、拡大してみると外側の円の内部に同心円とも言えない濃淡がある。「4次元超球の3次元断面」としてシミュレーションするとこんな感じだろうか。真上方向と斜め方向から見たシミュレーションを載せる。この超球の表面で磁気リコネクションによる熱が発生し、雪が溶けてみぞれになったと考えられる。また、階層球列モデルで考えると、観測されたブライトリングの中心に気象レーダーが本当に存在するかどうかを確認する必要がなくなるのも利点だ。
同じ日に、「階層球列モデルの球体」と明らかにわかる低気圧が現れた画像がある。この球体は関東から中部地方を覆うほど巨大だ。千葉県沖に同心円状の降水帯がある。埼玉県東部を中心とした明瞭な放射状の降水域を持っている。親階層の球体の表面軌道に列になって存在する小球体が、特定の中心角ごとに磁気リコネクションを起こしていると考えればつじつまが合う。球体としてシミュレーションするとこんな感じだろう。球体の中心軸は鉛直だ。中心の強い降水域の形がほぼシミュレーションと一致していることから、どうやら親階層の球体には表面2軌道が存在し、しかも2軌道の位相差が180度であることがわかる。
しかし、よく考えるとこれほど巨大な球体が存在するとしたら、その頭頂部は大気圏よりもずっと上にあるはずだ。降雨をもたらすはずがない。ということは、この球体は「実2次元虚1次元の存在」ということになる。われわれの知覚する3次元ではただの平らな円としか思えないが。
このような球体は最近の2023年6月8日にも現れている。シミュレーションしてみるとこんなところだろうか。中心の降水域が明瞭な軌道を描いていないので、シミュレーションの信頼性は低い。表面2軌道が存在し、しかも2軌道の位相差が180度であると仮定している。球体の中心軸は鉛直ではない。
2023年6月2日の雨雲レーダーには、このほかにも珍しい降水域が現れている。この画像の室戸沖に注目してほしい。境界のはっきりした巨大同心円が現れている。右に拡大画像を並置する。ご存じの通り、この海域には遠からず発生すると予想される南海地震の震源域が存在する。仮に震源となるエネルギーが可視化されているとしたら、相当に巨大なエネルギーが蓄積されていることになる。さて、これは単純に低気圧の球体か、それとも南海地震の震源域に重なった球体か、いったいどちらだろうか。