身近な気象現象の背後に孫球やひ孫球が存在することに驚かれたのではなかろうか。それでは次に積乱雲やスーパーセルよりも規模の大きな気象現象について見ていきたい。低気圧だ。今さら低気圧について問題にすべきことがあるのかと疑問に思われるかもしれないが、ご自身の目で確認していただきたい。
近年、気象レーダーから電波(マイクロ波)を発射して大気中の雨や雪による反射波を測定し、空中の雨や雪の位置や密度を測定することが可能になった。特にドップラーレーダーはドップラー効果による周波数の偏移を観測でき、さまざまな情報をもたらしてくれる。レーダーエコーの画像は雨雲の位置や雨量などの分布を示す。
ウイキペディア:気象レーダー日本気象協会は日本列島の詳細な降雨状況をほぼリアルタイムで画像化しインターネットに掲示している。ある日の雨雲レーダー画像をご覧いただきたい。この日は春らしからぬ豪雨が日本列島を縦断し、大雨警報や洪水警報が発令された。各地で落雷もあった。この降水域の画像を見ると、一点で交差する曲線状に降雨帯が分布していることがわかる。天気図を見るとこの降水域の位置は低気圧と一致している。
日本気象協会
このような曲線状の降水域をスコールラインと呼ぶ。スコールライン上では積乱雲が発生し、地上はにわか雨や雷や突風に見舞われる。
ウイキペディア:スコールラインこの降水域をシミュレーションしてみた。4次元超球面の3次元断面の式を用いた。つまり、この低気圧は4次元超球面の3次元断面の式で表されることになる。どうやらこの画像の低気圧の本体は子球らしい。子球表面軌道には孫球列が存在する。この孫球列が一定中心角ごとに積乱雲を発生させてスコールラインに雨を降らせているようだ。
この日の日本列島の降水域は幾何学的な図形に満ちていた。たとえば北陸地方の雨雲レーダー画像には円周状の降水域が出現した。測定機器の誤作動ではないかと疑いたくなるような画像だ。この降水域は完全に正円形、しかも同心円になっている。そして、ひとつだけでなくいくつも存在する。同時刻の広域降水域を見ると、対応する位置に黄色い円形の降水域があり、機器の誤作動ではないことがわかる。
それどころか、この広域降水域そのものが円形に見えなくもない。この広域降水域は子球で、「球面」と「4次元超球面の3次元断面」が重なっている可能性がある。
念のため1時間後の画像を見てもこの円形降水域は同じ位置に存在する。全体的な降水域の分布もあまり変化していない。
北陸地方の円周状の降水域はいったい何なのだろうか。積乱雲が円形に集合して雨を降らせていると思われる。子球表面軌道の孫球が励起して巨大化し、鉛直方向を向いて正円形に見えているのだろう。強い磁気リコネクションを起こしているから、孫球表面2軌道が重なっているか、孫球対になっていると思われる。個々の孫球は通常さまざまな方向を向くと思われるが、この孫球は完全に鉛直になっている。
この日はほかにも不思議な幾何学図形が出現している。たとえば放射状降水域だ。この放射状の降水域の延長線は埼玉県と千葉県の県境あたりで交差するように見える。ここには黄色い降水域があり、低気圧の中心になっているらしい。その南東にはこの低気圧に重なった子球の表面軌道が同心円状に密集している。子球表面軌道の孫球列が特定の子球中心角で磁気リコネクションを起こし、雨を降らせることによって放射状降水域ができると思われる。
また、謎の二重鎖降水域も出現した。鎖の交差点では強い磁気リコネクションが発生し強い雨が降っているようだ。
別の日の画像から推測すると、この二重鎖降水域の片方ずつも鎖構造になっているようだ。「鎖で編んだ鎖」、言い換えると「二重らせんで編んだ二重らせん」ということになる。
鎖を構成する降水域がらせん構造になっているのだろう。この画像の降水域を見ると、右に飛び出した部分はらせん構造そのものだ。
この日の降水域をいつものようにシミュレーションしておこう。
シミュレーションの形だけならこの雲に似ている。この雲は励起し巨大化したひ孫球と思われる。円錐を逆さにした形の孫球の表面にある。
地球の記録:もはや「UFOの襲来」的とも言えるクリミア半島のヤルタ上空に出現した壮絶なレンズ雲たちありふれた降水域に見えても、「二重らせんで編んだ二重らせん」という概念を知っていると全く違ったものが見えることがある。人間には自分が認識しているものしか見えないのだと痛感させられる。この画像の沖縄の右側の降水域などは実に興味深い。
実際の画像はこれよりもいびつだが、形だけならこのシミュレーションが参考になる。
この降水域が現れた日は偏西風が強く蛇行し、台湾から沖縄九州にかけての上空を吹いていた。この二重らせん降水帯も偏西風が原因と思われる。この画像を見ると、朝鮮半島あたりで極端に偏西風が蛇行している。韓国の済州島は東へ線状に延びる降雨帯の起点になりやすい場所だが、偏西風が蛇行しやすいのもその一因かもしれない。
earth雨雲レーダーで幾何学図形が観察されるのは珍しいことではない。雨雲レーダー画像で降水域の形や時間変化を観察すると、親球表面軌道や子球の挙動を理解することができ有益だ。