(2022年6月追加)

●花崗岩のいくつかの謎

「火山を噴火させるほどではなくとも、階層球列が地下で小規模な磁気リコネクションを起こし、熱で岩や砂を局所的に融解させる場合がある。溶融した岩や砂は、その後冷却に伴って球列の形状を残したまま凝固する。後にそれが隆起や侵食によって地上に現れると、珍しい形をした奇岩になる」と前回私は書いた。球形や「4次元超球の3次元断面」の形をした奇岩が世界各地に分布している。こうしてできた岩石の典型が花崗岩だ。花崗岩にはいまだ解明されていない謎がいくつも存在する。


たとえば、火山やマグマではなく、花崗岩が温泉の熱源になっている場合があるとご存じだろうか。ウイキペディアから引用する。「温泉を熱源で分類すると、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは無関係の非火山性温泉に分けられる。……非火山性温泉はさらに、地下深くほど温度が高くなる地温勾配に従って高温となったいわゆる深層熱水と、熱源不明のものに分けられる。……非火山性温泉の中には通常の地温勾配では説明できない高温のものがある。」
有名な神戸の有馬温泉などがそうだ。

ウイキペディア:温泉

有馬温泉がある六甲山地は、次に述べる東山連峰と同じく花崗岩でできた断層山地だ。

藤岡換太郎氏の著書「三つの石で地球がわかる (ブルーバックス)」は地球と岩石の関係について考えるための好著だ。この本には次のような事例が載っている。京都の東山三十六峰は古生代の地層に1億年前の花崗岩が貫入してできた山だ。この古い花崗岩に濃集したラジウムが地下水に溶け出し、北白川で温泉として出てきている。これだけ古いと花崗岩の熱はかなり冷めているはずだが、それでも地下水を湧かしているらしい。

ということは、北白川温泉の花崗岩は現在も発熱しているか、もしくは間欠的に発熱する時期があると考える方が理にかなっている。日本各地の温泉で地震による泉温や湯量の変動があるのは珍しいことではないから、階層球が周期的に磁気リコネクションを起こして発熱するという可能性は高いと思う。

また、藤岡氏は地表の花崗岩は多過ぎるという問題提起をしている。花崗岩となる花崗岩質マグマの生成条件は限られているのに、巨大な花崗岩の岩体が世界中のあちこちに存在する。この矛盾を解決すべく学者たちは探求を重ねた。その結果大陸地殻に水が十分に存在している場合は、それほど高温でなくとも大陸地殻が大規模に溶け花崗岩が生成することがわかった。この水は、海溝で沈み込む海洋プレートから大陸地殻下部へ供給されると考えられる。だが、球列の磁気リコネクションによって熱が発生すると仮定すれば、花崗岩が生成する条件は化学的にはそれほど問題でなくなる。ちなみに、藤岡氏は別の著書で世界最大のカナダの花崗岩体ゴーストレインジバソリスについて報告している。この花崗岩体は長さ2000km幅200kmもあるが、連続的に存在しているわけではなく、直径10〜15km程度の岩体が、ぶどうの房のようにいくつも群がっているそうだ。


そのほかに,花崗岩の風化も特異と思われる。花崗岩は地表に露出してから風化するとは限らない。地表に露出したときにはすでに風化して真砂土になりかけている場合がある。節理に沿って雨水や地下水がしみ込み、その部分が地中で化学的に風化(加水分解など)すると考えられている。風化を免れたコアストーンと呼ばれる巨石が往々にして真砂土の中に残されるが、コアストーンは際だって硬く周囲の真砂土とはっきり分けられる。不自然なほど丸みを帯びたコアストーンが出てくる場合もある。

写真は語る PanoraGeo:花崗岩質岩石の風化とコアストーン
コアストーン

あたかも熱変成によってできた花崗岩と堆積によってできた花崗岩が同じ場所に混在しているかのようだ。磁気リコネクションで熱変成によってできた花崗岩が風化せず残るのではなかろうか。


水晶は花崗岩中の石英脈などでよく発達する結晶鉱物だが、俗にガマと呼ばれる球形の石の内部に産出することがある。このような丸い石の内部の空洞を晶洞と呼ぶ。晶洞は、火成岩の内部や堆積岩の内部に成形される。磁気リコネクションによって球体の表面軌道で熱や電荷が発生したと思われる。

ウイキペディア:晶洞
晶洞


また、「三つの石で地球がわかる」によると、謎が残されている石は花崗岩だけでない。かんらん岩は地中深くでマントルを形成する火成岩で、通常地下70kmよりも下に存在する。しかし地中にのみ存在するわけでもなく、北海道アポイ岳のように地表に露出している場所もわずかにある。だが、そもそも密度が大きく深部にあるのが最も安定した状態であるかんらん岩が、なぜ地下70kmから地表に上がってくるのか理由がわかっていない。ダイヤモンドはかんらん岩に関係の深い岩だが、地下200kmの高温高圧状態でないと生成しない。ところが実際にはダイヤモンドは地表にも存在する。マントルから地表へダイヤモンドが上昇したとすると,変質を避けるため場合によっては音速の倍に達する速さで上昇する必要がある。何らかの理由でダイヤモンドを含むマグマや水の圧力が下がって地上へ上昇するというのが一つの仮説だ。ところが愛媛県の山中で採掘したかんらん岩からわずかだがダイヤモンドが発見されたことがある。また、かんらん岩が変質してできる蛇紋岩は構造線の近くで見られることが多い。構造線の周辺で磁気リコネクションが起き、高温高圧状態が発生していると考えれば矛盾なく説明できる。


地殻内部に火山やマグマ以外の熱の発生源があることを示唆する現象は他にもある。たとえば泥火山がそうだ。火山の名称が付けられているが、必ずしも火山活動と関係のあるものではなく、溶岩などに比べるとその温度は非常に低い。比高数mから数十m程度の泥の丘陵や泥のドームを形作ることもあるが、直径10kmや高さ700mに及ぶ大きさのものもある。沈み込み帯周辺などに多く分布する。

ウイキペディア:泥火山
泥火山


2022年6月の時点で、私に可能な地球表面のプレート境界のシミュレーションを載せておく。以前作成した海洋地形のシミュレーションは、平面図を元にしていたのでどうしても細部で誤差が出てしまう。地球表面のプレート境界なら、地球儀のように立体図そのままを見る手段がある。
アプリケーション版のGoogle Earthの画像を基本にし、ネット上の大阪教育大の「世界のプレート境界」情報を重ねて表示させていただいた。

大阪教育大社会科教育講座地理学教室山田地理研究室:Google Earthで見る地図教材のページ

このシミュレーションは地表に3本の軌道を描いている。赤と桃が基本となる基底軌道で、肌色が励起軌道だ。励起軌道を何本も描くとどんな軌道でも描けてしまうので、できるだけ基底軌道だけでプレート境界が網羅できるよう心がけた。各階層の階層球列の半径や位相初期値などパラメータが多いので、実際のプレート境界とぴったり重ねることはなかなかできない。


プレート境界   プレート境界シミュレーション

プレート境界シミュレーション

当初の推定とは一部異なり、日本のフォッサマグナには励起軌道が通っているようだ。マリアナ海溝あたりも励起軌道が関わっている。ハワイから天皇海山列に至る「く」の字型に折れ曲がった海山群は、「ホットスポットと海洋底拡大による海山列」と「励起軌道」とがつながったものらしい。

以前のシミュレーションと比べると、地球表面軌道の回転数は若干違う。プレート境界の立体図から推測した回転数は、海底地形や地震分布の平面図から推測した回転数と全く同じというわけにはいかなかった。いずれにしてもまだ改善の余地はある。

私のシミュレーションの数式は擬似的なものなので、地表の球面らせん軌道の軸方向から見た図でないと大きな誤差が生じる。そのため視線方向を変えて地球のあらゆる方向から自在に眺めることは現状ではできない。正確に表示するシミュレーションを作るのはそれなりに手間がかかりプログラムも重くなる。本格的に追究したい人は試してみてください。



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