6 階層球列の理論的位置づけ

●既存の物理理論での階層球列の位置づけ

しかしまだ読者は疑問をお持ちだろう。親球や子球などというものが本当に存在するなら、既存の物理理論で当然その存在が示されているはずではないかと。根拠もなく軌道だの球列だのが存在するはずがない。そこで、階層球列が存在する理由を物理学的に考えてみたい。ただし、再度前置きさせていただくが、私は学者ではない。正統派の物理理論を十分に理解しているわけでもない。間違った解釈もあるかもしれないのでご了承いただきたい。物理理論に興味のない方は読み飛ばしてもらってかまわない。

階層球列の理論的裏付けを探すなら、量子力学の分野ではないかと私は考える。量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式に階層球列の根拠を求めたい。量子力学は微視的な領域にしか適用できないと考えられがちだが、宇宙論のような巨視的な領域でも応用されている。太陽に応用できても不思議はない。


この文章を読まれている方は、量子力学やその主流派解釈であるコペンハーゲン解釈についてある程度知識をお持ちと思う。あるいは、多世界解釈という言葉もご存じかもしれない。しかし、ボーム解釈という言葉をご存じの方は少数派ではなかろうか。

ウィキペディア:ボーム解釈

主流派のコペンハーゲン解釈とは異なる客観的、決定論的な量子力学の解釈理論である。ウィキペディアの解説に物質波の概念を提唱したド・ブロイの名が出てくるのだから、量子力学の草創期にまで源流をさかのぼる。アメリカ生まれの物理学者ボームはこの量子力学の解釈理論を1960年代から70年代にかけて発展させた。この理論によれば宇宙は波束の収縮などを経ずに連続的に変化する。ボームは自らの解釈を因果律的解釈、のちには存在論的解釈と呼んだ。

ボーム解釈によれば、粒子はひとつに定まった経路を運動する。粒子の配置状態は、粒子の運動を先導する場によって決定される。 ド・ブロイはその場をパイロット波と呼び、ボームはψ場と呼んだ。ψ場から量子ポテンシャルも導かれる。
私の考えでは、たとえばψ場は親球表面軌道に相当する。配置された粒子は子球に相当する。ψ場は粒子を配置する軌道であるが、親球表面軌道のような球面らせん軌道でもかまわないのではなかろうか。ψ場はシュレディンガー方程式を満たし、量子力学における波動関数と同等とされる。シュレディンガー方程式を満たすもっとも単純な解が球面だから球面の式で記述可能なのかもしれない。ちなみに水素原子はシュレディンガー方程式が厳密に解かれる唯一の原子であるが、球対称ポテンシャルを仮定して解を求めている。
同様に、子球表面軌道の孫球を記述するときψ場は子球表面軌道に相当し、配置された粒子は孫球に相当する。この場合ψ場は4次元超球面の3次元断面の軌道になる。同様に、太陽表面軌道の親球を記述するときψ場は太陽表面軌道に相当し、配置された粒子は親球に相当する。



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