●オーロラの発光原理

電離層にはオーロラが発生する。オーロラもまた科学的に解明されてない現象だ。どのようにして太陽風が地球の磁力圏に入り込むのか、なぜプラズマは特定の部分にたまるのか、何がきっかけでプラズマが加速されるのかなど、発生原理の肝要な部分については未だ統一した見解がない。オーロラが突如として全天に広がるオーロラ爆発という現象についてもあまりわかっていない。

ウイキペディア:オーロラ

通説とはかなり異なるが、階層球列のモデルでオーロラを説明してみたい。
電離層に球面らせん形の地球表面2軌道が存在し、それぞれに親球列が存在すると考える。2軌道は1日周期で互いに逆向きに同軸回転すると仮定する。2軌道は一日に一度夜側で重なり、それぞれの軌道の親球が重なって磁気リコネクションを起こす。そのエネルギーで大気中の酸素原子や窒素原子の電子が励起し、高エネルギー準位に移る。オーロラとは、その後これらの原子が元の準位に戻るときに余分なエネルギーを光として放出する現象だ。昼間に太陽風のエネルギーを受けて親球(酸素原子や窒素原子ではない)が励起する。そして条件がそろう夕方以降に親球(厳密には親球表面軌道の子球)が磁気リコネクションを起こし、周囲の酸素原子や窒素原子の電子を励起させる。真夜中の特定時刻には磁気リコネクションが特異的に起きやすい瞬間があり、オーロラ爆発が発生する。

もう少し詳しく説明してみる。電離層にある2本の地球表面軌道は、球面らせんの形が同じで中心軸を共有する。この中心軸は地球の自転軸と一致する。球面らせん2軌道の親球列の軌道公転方向は互いに同じだ。地球磁場は南北極点で最も強く、親球の磁場も南北極点で最も強い。このような球面らせん2軌道が、互いに逆向きに24時間周期で同軸回転していると考える。1日に2度極域の筆記体l字形の部分が重なり合う。日中に地球の昼側で、深夜に夜側で重なり合う。夜側で交差する過程が重要だ。筆記体l字形の部分は夕方以降に夜側で徐々に交差し始める。筆記体l字形軌道の頭頂部から始まり、少しずつl字形の足元に向けて2軌道の交差点が移動してゆく。それに伴って順々に2軌道の交差点にある親球が重なって磁気リコネクションを起こす。オーロラが現れるのは夕方以降で、高緯度から低緯度へ出現点が移動するのはこういう機構があるからだと思う。太陽エネルギーを源とするオーロラが地球の昼側でなく夜側で起きることがオーロラ物理学では大きな謎とされているが、地球表面2軌道の同軸回転が原因ということになる。真夜中にオーロラ爆発が起きるのは、地球表面2軌道がこの瞬間ぴったり重なって一度に多数の親球対が磁気リコネクションを起こす可能性があるからだ。

地球表面2軌道がぴったり重なる場所は地球上の特定の場所と決まっている。ただし、オーロラが発生するのは厳密に地球表面2軌道が重なる地点だけというわけではない。2軌道の親球にはある程度の大きさがあるから、2軌道の間の距離が小さければ磁気リコネクションは起きうる。もちろんこの距離が小さいほうが磁気リコネクションは起きやすい。この機構があるため、オーロラは地球の南北磁極を楕円形に取り囲むオーロラ帯という領域でよく発生する。筆記体l字型のやや低緯度あたりがオーロラ帯になっているようだ。オーロラ帯の位置は極夜ジェット気流の経路と似ている。


オーロラ帯

ことバンク:ジェット気流 
ジェット気流

単純に考えると、高緯度にある親球ほど磁場が強いので昼間に太陽風の電子を取り込んで励起しやすいと思われる。しかしあまりに高緯度過ぎると、地球表面が湾曲しているから親球が受ける太陽風の量が減り、親球は励起しにくくなる。そのため南北極点周辺では磁気リコネクションはかえって起きない。したがってオーロラ帯はおおまかに南北磁極を少し離れて取り囲むドーナツ状になると思われる。オーロラは基本的に東西方向に現れるが、これは親球が地球表面軌道に沿うからだろう。


オーロラの形状は、「親球が軌道公転するときの子球の空間軌跡」として理解できる。誰もが思い浮かべるカーテン状のオーロラもその例に漏れない。この図を見れば、カーテン状オーロラの断面は大きく巻いた親球の軌跡と小さく巻いた子球の軌跡の合成軌跡であることが理解できるだろう。

森洋介のホームページ:(2)オ−ロラの形
オーロラの形   オーロラの形

オーロラがカーテン状に縦に長くなるのは、磁気リコネクションによって放出された電子が地球の磁力線に沿って高速で降下するからだ。


オーロラにはさまざまな形状があるが、オーロラの本質を最もはっきり表すのはブラックオーロラだろう。これは文字通り「真っ黒な」オーロラだ。光の不在と言い換えてもいい。球体状、球列状、線状、らせん状などいくつかの種類がある。頻繁に見られるものではないが、オーロラ爆発の後に出現するらしい。大きさから考えて、磁気リコネクション後に最低準位にまで落ちた子球か孫球かもしれない。励起に必要なエネルギーを吸収する性質があるため、光を吸収して黒く見えるのだろう。
なお、カーテン状のオーロラも歯が欠けたように櫛状に見えることがある。子球列という実体をより明確に表している。


また、オーロラ爆発の直前にはビーズ状オーロラが出現することがある。数珠状にオーロラが並んだ形をしている。数珠のひとつひとつがはっきりと別れている。同軸回転によって地球表面2軌道がぴったり重なり、親球列もぴったり重なって親球対列になったと思われる。この後それぞれの親球対が磁気リコネクションを起こすのだろう。

SlideServe:サブストームオンセット前に 見られる オーロラアーク の不安定化
ビーズ状オーロラ

オーロラが発生している電離層で親球らしきものを観測した事例もある。2019年にノルウエーでNASAが行った実験では、オーロラが発生した電離層へロケットを飛ばし、発色するガスの一群を放出して親球列らしきものを着色した。この画像で見えているのは親球対列、詳しく言えば励起した親球の内管の表面軌道の子球対ではないだろうか。光点が4個単位で現れているが、親球対表面軌道の交差点で磁気リコネクションが起きていることを示すのかもしれない。雷の項のシミュレーションが参考になると思う。

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AZUREオーロラ   AZUREオーロラ
(c) NASA Wallops


ところで、電離層の地球表面2軌道の一部はすでに観測されている。地球の地磁気を観測している欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星SWARMが、大気圏上層で発生するとされていた巨大な膜状の電流層の観測に成功した。この電流は最大で1テラワットの電力を上部層に移動させる働きがあるとのことだ。説明図の電流の流れは球面らせん軌道に似ている。

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