中間圏よりも高度が高い領域は電離層と分類されることもある。地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域だ。この領域は電波を反射する性質を持ち、それによって短波帯などの電波を用いた遠距離通信が可能である。
春から夏ごろにかけて、主に昼間の上空約100km付近に局地的で突発的(スポラディック)な電離層が発生することがあり、これをスポラディックE層と呼ぶ。スポラディックE層の電子密度が極度に高い場合は、F層でも反射できないVHF帯の電波をも反射するという特殊な性質がある。
ウイキペディア:スポラディックE層スポラディックE層は、親球表面軌道の子球列の電子密度が磁気リコネクションによって高まり、VHF帯の電波を反射する現象と考えられる。
スポラディックE層の発生頻度には地域的偏りがある。原因は不明であるが、地球上では日本付近において最も出現率が高いことが知られている。通常の電離層(D, E, F層)と比べると電子密度が極めて高いのがスポラディックE層の特徴で、上空約100kmで雲のような状態で分布し高速で移動する。電離層(D, E, F層)の電子密度の変化は11年周期の太陽活動との相関が高いことが知られているが、スポラディックE層では出現頻度や最大電子密度と太陽活動との関係はない。
対流圏の風にシアがある場合とか、日本列島を温暖前線が縦断し、かつ雲が垂れ込めている場合にスポラディックE層は発生しやすいという経験則があるらしい。しかし、気象現象は対流圏内(およそ上空10km程度まで)の活動であるにもかかわらず、なぜE層の高さ(上空100kmの電離層、熱圏)にまで影響するのかを説明できる科学的理論は存在しないので、発生原因は謎とされてきた。
また、一部で電離層の異常と大地震との関連性が指摘されている。
ウイキペディア:地震予知アマチュア無線家の間ではスポラディックE層も地震の前兆ととらえられていたようだ。親球や子球の存在を仮定すればこれらの宏観現象の原因を説明できるのではなかろうか。
ところで、近年火球の目撃報告が増えている。火球は、大気中で蒸発あるいは地表に落下した隕石が明るく発光したものと考えられている。数十km上空の中間圏、すなわち電離層で起きている現象だ。
ウイキペディア:火球
2021年12月10日に関東地方に大型の火球が現れた。火球は緑の光を放って数秒間飛び、点滅を繰り返しながら消えていった。この動画は朝日新聞社が投稿したものだ。
YouTube:成田空港から見えた火球
12秒あたりから拡大映像があるが、どうも飛行速度が変化し軌跡も曲がっているように見える。この火球が単純に隕石だとしたら、なぜ変化するのだろう。この火球は隕石ではなく磁気リコネクションを起こした子球ではなかろうか。火球が軌道自転しながら軌道公転していると考えれば軌跡の変化も納得できる。この火球は消える前に点滅を繰り返しているが、点滅する時間は周期的のようだ。
ウイキペディアによると、火球が流れるのと同時にかすかな音が聞こえるという報告も多い。しかし火球は実際には数十km上空の中間圏で起こっている現象であるため、地上の観測者に物理的な音が届いたとしても音速を考えれば数分後のはずである。そのため音を伴う観測例が後を絶たないのは大きな謎となっており、電磁波音のような説が提唱されているとのことだ。
ウイキペディア:電磁波音
電磁波音は科学的にまだ未解明の現象で、オーロラや雷、さらには地震の直前の音や地球の極めて近くにまで接近した彗星が発する音にまで疑いの目が向けられている。流星群では数百 Hz 以下の電場の変動と電磁波音との相関が検出されるなどの観測結果もでている。火球の電磁波音は体験例が少なく、体験内容も様々で一部の人だけに聞こえるなど一貫性を欠いている。その表現は多種多彩で、「歯ぎしり」のような音とか、驚いた鳥が飛び立つ羽音に似たざわめきとか、花火を打ち上げるときの音とか、いろいろな報告がある。電磁波音が火球の目撃に先行するばかりではなく、目撃者が天空を飛行する物体に注意を向ける元になっている場合さえある。 …と、ここまで読んでこられた読者にはもうおわかりだろう。電磁波音が聞こえるとき、地表から電離層までがすっぽりと親球に包まれていると考えられる。子球の電磁ポテンシャルが上空と地表とで同期して大きくなり、なんらかの磁気リコネクションが同時に発生するのだろう。