対になった黒点を片方ずつよく見ると、形が複雑であったり小黒点がいくつか集まって黒点群になったりしている。これらの形は、黒点となった子球の形を反映している。そもそも小黒点とは、黒点となった子球の表面軌道が太陽表面と交わる断面であろう。すでに述べたとおり子球表面軌道の形は4次元超球面の3次元断面の式で表される。黒点の形はその2次元断面ということになる。
子球は目に見えないが、断面である黒点の形から子球全体の形を推測することができる。次の画像は太陽観測衛星ひのでが撮影した黒点の一部だ。粒状斑(光球面に見られる対流模様)で埋め尽くされた太陽表面に黒点があり、その周囲には放射状の細い筋構造が多数存在する。
宇宙航空研究開発機構:可視光磁場望遠鏡がとらえた黒点の微細構造
このシミュレーションの子球全体を上から見た画像と横から見た画像を載せておく。この黒点は本当はこのような形をしているのだろう。
黒点となった子球の頭頂部の軌道は本来目に見えないが、たまたまそこでフレアが発生して可視化されることもあるようだ。これは太陽観測衛星TRACEが撮影した黒点上空のフレアの画像だ。隣に4次元超球面の3次元断面の式によるシミュレーションを並置する。
Transition Region And Coronal Explorerなお、黒点頭頂部の磁場は浮上磁場として形状が調べられている。浮上磁場の複雑な構造はこの資料で知ることができる。先ほどのシミュレーションのような形を記述したものと思われる。
SOTによる浮上磁場観測:浮上磁場→黒点の磁場の連続的な発展を捉える (9ページ)