●親球と子球の位置関係がわかる黒点画像

親球も子球も目に見えないので、黒点と親球表面軌道と子球の位置関係を想い描くのは難しい。しかし、特殊な状況だが、本来の親球表面軌道の子球がいくつか黒点と同時に可視化されている例がある。この画像もHα線で撮影しているので、可視光で撮影した黒点画像とは見え方がかなり違う。

京都大学大学院理学研究科附属天文台:ドームレス太陽望遠鏡 Hαリオフィルタを用いて撮影された太陽黒点領域 1
プラージュのある黒点

先ほどの画像と同じく、黒点が対になっている。このふたつの黒点は円形の「特殊な親球表面軌道」の断面だ。しかしそれとは別に目を引くのは、ふたつの黒点の少し外側に円環状に分布しているプラージュという白い模様だ。濃淡のある8個のいびつな白い輪が黒点対をぐるりと取り囲んでいるように見える。プラージュとは光球よりも上空の彩層にある明るい領域だが、その成因はよくわかっていない。このようにはっきりとプラージュが円環状に見えることは珍しく、貴重な画像だ。このプラージュをシミュレーションするとこんな感じだろうか。太陽表面からの高さをグラデーションで表現している。球面らせん軌道の一部を上から見たら、多少高さに差がある円環として見えるという状況だ。

プラージュのある黒点

この画像のプラージュは、親球表面の本来の球面らせん軌道の子球が磁気リコネクションを起こしているものと思われる。黒点になった子球とは別の子球列が見えていることになる。複数の子球が磁気リコネクションを起こして発光しているから、この瞬間親球表面2軌道はぴったりと重なり、2軌道の子球もすべて重なっていると思われる。黒点は親球の足元にあり、プラージュは親球の中腹にある。そのためプラージュが作る円環の直径は黒点の間隔よりも大きい。



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