●太陽観測衛星ユリシーズが観測した太陽風速度分布

この太陽磁場図の裏付けとなるような観測事実はあるのかという声が聞こえてきそうだ。そこで、欧州宇宙機関(ESA)の太陽観測衛星ユリシーズによって計測された太陽表面の太陽風速度分布をご覧いただきたい。 左右の画像は太陽活動が低下する極小期、中央の画像は太陽活動が活発化する極大期の太陽風を表している。磁場の極性は赤と青で示され、約11年で反転している。太陽磁場が反転する過程を最もよく表す資料だと思う。

欧州宇宙機関(ESA):ulysses Polar plots of the solar wind speed
太陽風速度分布

この計測結果を私の作図した太陽磁場図で説明してみたい。太陽表面軌道は本当は私の平面図とは異なり球面らせん形であることを念頭に置く。低速太陽風領域は「磁場が存在しないかまたは打消し合った場所」に、高速太陽風領域は「磁場が存在する場所」に対応すると考える。


極小期のユリシーズ画像には太陽南北極に明確な単極磁場がある。低緯度は磁場が弱く低速太陽風しか存在しない。

私の磁場図を見ると、極小期には太陽南北極の親球北極磁場が強くなっている。また、太陽赤道周辺は親球北極磁場が弱くなっている。そのため太陽の赤道周辺には太陽風が存在しない。したがって親球の外部に高速太陽風がまったく漏れないと思われる。


極大期のユリシーズ画像は非常に複雑だ。赤と青の異なる極性の磁場が入り乱れている。あらゆる緯度に高速太陽風が存在し、特に北極で青、南極で赤の磁場が強い。太陽の左側と右側で測定結果が違う。太陽の左側では赤と青の磁場が混ざることなく重なっているが、太陽の右側では赤と青の磁場が混ざり合っている。また、太陽の右側では高速太陽風領域と低速太陽風領域が南北に交互に並んでいる。

私の磁場図を見ると、極大期には太陽南北極の親球北極磁場は存在しないはずだ。これはユリシーズの観測結果と異なる。ユリシーズは最極大期の磁場を観測したのではなく、やや極小期に近い時期の磁場を観測したと思われる。私の磁場図では8.25年の図が参考になる。太陽中低緯度では、太陽表面軌道の往路と復路の親球の磁場が複雑に打ち消し合っている。この赤と青の打ち消し合う様子は太陽の右側と左側で変わってくる。なぜなら、測定した経度に太陽表面の球面らせん軌道の交差点があるかどうかは、軌道の重なり具合によって決まるからだ。その経度に交差点が存在すれば太陽の右側のように磁場が混じり合い、存在しなければ太陽の左側のように磁場が混ざることなく重なるのではないか。また、その経度に交差点が存在すれば、太陽の右側のように高速太陽風が存在する領域と存在しない領域とが南北に交互に並ぶのではないか。



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