親球表面軌道の形を確認できる現象をいくつかシミュレーションしてみたい。
光球(太陽の表層)の上空にある彩層には、スピキュールという直径500kmほどのジェット現象が非常に多く存在する。スピキュールは無数の針のように太陽表面から直立している。
スピキュールとは、子球の磁場によって太陽表面のプラズマガスが彩層の高さまで持ち上げられる現象と考えられる。この画像の左上の黒い模様は、親球頭頂部の球面らせんに特有のアルファベットl字型軌道を含む。スピキュール自体は子球の磁場による作用だが、子球列の移動経路である親球表面軌道が目に見えている。
次にアメリカの太陽観測衛星TRACEが極紫外線で撮影したフレアの画像をご覧いただきたい。親球表面軌道の頭頂部の子球列が磁気リコネクションを起こしたと思われる。フレアと磁気リコネクションの詳細は後述する。親球表面軌道を移動する子球列としてシミュレーションしてみた。親球表面軌道を軸にして正弦曲線を回転させたようなこの波形を、便宜的に立体正弦曲線と呼ぶことにしたい。
新潟大学集中講義 プラズマ物理学:TRACEの見たフレア(極紫外線:100万度)通常親球は球面の方程式で表される。しかし場合によっては親球も4次元超球面の3次元断面の式で表されることがあるらしい。親球が励起して巨大化し高エネルギーになった場合だ。太陽表面(光球)の磁気の極性が反対の点を結ぶループ構造、いわゆるコロナループはその例だ。
NASA:A Powerful Sequence of Flares Start September 2017
次に、子球表面軌道が確認できる現象をいくつかシミュレーションしてみたい。
子球表面軌道と思われる現象では、この「プラズマの繊維状の性質」がわかりやすい。ただしこの軌道は本当は繊維状ではなく、輪ゴムを極端に複雑な形に丸めたようなものであるはずだ。4次元超球面の3次元断面としてシミュレーションしてみた。私のシミュレーションに共通することだが、回転数や観測する角度によって似たような図形はいくらでも考えられるので、実際には違う図形かもしれない。
この画像は太陽観測衛星TRACEが撮影したものだが、やや規模が小さいので子球かもしれない。4次元超球面の3次元断面としてシミュレーションしてみた。
Images of the Sun taken by the Transition Region and Coronal Explorerこの動画はコロナレインの一種だろう。4次元超球面の3次元断面としてシミュレーションしてみた。
NASA:Unexpected Rain on Sun Links Two Solar Mysteries孫球より下の階層は子球と同じく4次元超球面の3次元断面の式で表される。励起した親球も同じ式で表される。そのため、実のところ間違いなくこの現象はこの階層だと私には断定できない。親球が励起したと分類したコロナループも、子球が励起して巨大化しただけという可能性もある。というより、本当は親球子球孫球という分類自体あまり意味を持たないかもしれない。