銀河は楕円銀河や渦巻銀河などの種類に分類される。楕円銀河ははっきりした内部構造を持たないが、渦巻銀河は渦状腕を持つとされる。
ウィキペディア:銀河
予想通りというべきか、渦巻銀河であるわれわれの銀河系も同じ数式でシミュレーションすることができる。一般に銀河系は平たい円盤と理解されているが、虚3次元立体が実平面に投影されているのが本当の姿らしい。ただし、条件がひとつある。われわれには虚軸方向でプラスの値の部分しか見ることができないのだ。虚軸方向でマイナスの部分は、銀河の中心(降着円盤ではブラックホールと表現されていた)の向こう側にあり、プラス銀河と形状はそっくりだが見ることができない。そう仮定して初めて銀河系の形が再現できる。
NASAがチャンドラX線観測衛星のデータを元に銀河系の形状を予想し、その姿をイラストに描いた。以下の画像である。私のシミュレーション画像と比較したい。
イラストでは中心部が細長く輝いており、それを雲のような銀河物質がほぼ円形に取り囲んでいる。そこから銀河の腕がらせん状に回転しながら外周部に伸びている。シミュレーションでは中心部のメガネのような2つ穴とそれを取り巻くほぼ円形の銀河物質が見て取れる。子細に比較すると似ているところも似ていないところもあるが、一つ大きな特徴がある。一般の銀河系に関する理解と異なり、観測された銀河系の腕は分岐と統合を繰り返しているのだ。これは現在の銀河系に関する知識で見過ごされている部分であろう。銀河の発生理論と矛盾するので、大きな声では語られないのかもしれない。
なお、このシミュレーション画像で虚軸方向の値をプラスかマイナスかに限定しなければ、次のような画像になったはずだ。右巻きと左巻きの腕が混在している。
渦巻銀河の大多数は、銀河の中心から両方向に伸びる直線的な棒状の星の帯を持つ。この棒構造を持つ銀河を棒渦巻銀河と呼ぶ。棒渦巻銀河の画像とシミュレーションを載せる。銀河の中心が発光しているからわかりにくいが、シミュレーションでは棒渦巻部分はメガネのような2つ穴に相当する。2つ穴を取り巻くほぼ円形の銀河物質の有無は、単にパラメータである銀河の回転数によって決まる。
ウィキペディア:棒渦巻銀河
きれいな渦巻銀河の形がシミュレーションできるのは、回転数を作為的に選んでいるからだ。無作為に選べば、楕円銀河のように内部構造を持たなくなるだろう。それでも比較的エネルギーが高い中心部だけは、線の軌跡が観測できるかもしれない。なお、渦巻銀河だけでなく、ありふれた楕円銀河中心部にさえこのメガネのような2つ穴が存在することが、既に観測によって2015年に明らかになっている。
だとすると、銀河のみならず惑星状星雲の中心部にもこのメガネのような2つ穴が存在するのだろうか?
惑星状星雲の中心の恒星は、理由は不明だが連星系の場合が多いという観測結果がある。連星の軌道は典型的には交差した8の字である。分光スペクトルの解析か何かで、連星軌道とメガネのような2つ穴が誤認されている可能性があるのではなかろうか。
AstroArts:惑星状星雲の大半は連星系から生み出される?
楕円銀河や渦巻銀河の分類に収まらない銀河も存在するのでその例も挙げておこう。メイオール天体は2つの銀河が衝突してできたとされるが、同じようにシミュレートできる。シミュレーションを拡大すればメガネのような2つ穴も確認できる。
ウィキペディア:メイオール天体
参考までに、虚3次元における銀河系を縦からではなく横から眺めた時のシミュレーション図を載せておこう。無限大記号∞のような経路を取りつつ、虚軸の正負に対応する可視領域と不可視領域をエネルギーの湧出点が往復している。これがわれわれの銀河系の全体像なのかもしれない。