タンパク質の音楽

●タンパク質の音楽とは何か

 私は宇宙のすべては回転すなわち波動の一種であるという観点からこのサイトを立ち上げた。だが、実際のところ理論物理的な話をいくらしても、実生活には何の関係もないと思われる人の方が多いだろう。そこで、私たち一般人でも実際に使える波動技術について書いてみたい。それがタンパク質の音楽である。

 音楽を聴くだけで体の不調が治るかもしれない。特定の種類の病気や健康問題に対して、個人単位で無料オーダーメイド治療が実現できる可能性がある。あるいは、発酵食品などの食品に対し、音楽を調味料の代わりに聴かせるという嘘のような話が可能になるかもしれない。素晴らしいのは、インターネットとパソコンという環境さえあれば、特別な出費や実験機器がなくてもタンパク質の音楽が作曲できてしまうことだ。ここにもインターネットの発達の恩恵がある。タンパク質の音楽についての詳細は、深川洋一著「タンパク質の音楽」(筑摩書房刊)という本に書かれているのでお読みいただきたい。トマトや味噌やラン藻など、いろいろな実例が挙げられている。

「牛にモーツァルトを聴かせると乳がよく出るようになる」「音楽で酒がうまくなる」といった話を耳にしたことがあると思う。実際に音楽を製造工程に取り入れた食品会社もある。だが、モーツァルトの音楽でワインがまろやかになったとか野菜がよく育ったというのが事実だとしても、その理由は誰も知らない。ただの経験則に過ぎない。ところがだ。その理由をすでに解明している学者がいるのだ。フランスの素粒子物理学者ステルンナイメール博士その人である。野菜なら野菜用の、パン酵母ならパン酵母用の音楽を博士は作曲し、1990年代にすでに実用に供しているのだ。それがタンパク質の音楽である。音楽を聴かせることによって、言い換えれば特定の周波数の振動を与えることによって、タンパク質の合成を促進できるという原理だ。

 とは言ってもにわかには信じられまい。シュテルンナイメール博士はそのため実験を行なった。牛にモーツァルトを聴かせると牛乳がよく出るという。博士は、タンパク質の一種であるプロラクチンに注目し、その音楽を作曲した。プロラクチンは乳腺の発達や乳汁の分泌を促すホルモンである。牛に音楽を聴かせながら搾乳すると、牛乳に最も多く含まれるタンパク質であるカゼインが大幅に増量するという結果が得られた。興味深いことに、モーツァルトの音楽はプロラクチンの音楽と似ている部分がある。音楽の専門家に言わせても、何箇所かはそっくりなのだそうだ。前述の著書には、詳細が記述されている。

 モーツァルトにタンパク質合成促進の効果があるとしたら、たった何箇所かがタンパク質の音楽と一致しただけで効果が現われたことになる。ということは、最初から最後まで個別タンパク質に特化した音楽を聴かせれば、効果はさらに大きいことが予想される。

●タンパク質の音楽の原理

 タンパク質の音楽とは物理学的にどんなものか、ごく簡単に説明したい。タンパク質の分子は、アミノ酸が連なったひものような1次元構造をしている。だからタンパク質が体内で合成されるとき、決まったアミノ酸が順々につながっていく。順々につながっていくのだから、時間的にもその順に合成が進むことになる。特定の高さの音に特定のアミノ酸の反応を促進する触媒作用があるなら、その音を数珠つなぎに音楽にして聴かせれば全体の合成反応が進むという理屈だ。

 アミノ酸の質量はその分子量で計算できる。質量がわかれば、物質波の周波数がわかる。この物質波周波数を「76オクターブ下げれば」可聴音域に変換できる。1オクターブ下げるとは、物理的には周波数を1/2に下げる操作を意味する。こうして得た音高を、目的とするタンパク質のアミノ酸配列の順に音符に変換したものがタンパク質の音楽である。

 しかし、これだけではまだわからない。なぜ特定の高さの音に特定のアミノ酸の反応を促進する触媒作用があるのか?物質波周波数を音に置き換えただけではないか?ステルンナイメール博士は「スケーリング波動」の概念でこれを説明している。ステルンナイメール博士自身が提出した概念だ。2倍、3倍という系列のアミノ酸の振動の周期的重ね合わせに関するものだそうだ。私の言葉で補足してみたい。読者は2倍、3倍という系列に見覚えがあるだろう。量子力学の項で出てきた量子数の概念だ。複素指数関数e^imφの回転速度がまさにこの2倍、3倍という系列になっているのだった。この複素指数関数がエネルギーを司り、タンパク質の合成に関与するのだ。仮にこの複素指数関数e^imφの周波数が、ある実次元の周波数と共鳴したとする。すると、実次元周波数がその1/2でも1/4でも何オクターブ下げても、同じように複素指数関数e^imφと共鳴する。共鳴すればエネルギーが与えられるので分子が活性化され、合成が促進される。これが「76オクターブ下げ」ても効果がある理由だと思う。実次元の周波数をコントロールすることによって、それと共鳴する虚次元の波動を間接的に操っているのだ。

 ステルンナイメール博士は、この技術の医療分野への応用も検討している。人体はタンパク質の集合体と言ってもよい。特定のタンパク質のバランスが崩れたとき、音楽を聴くことによって症状を改善できるのではないか。たとえば貧血でヘモグロビンの数値が低いとき、音楽によって正常値に戻した例を博士は挙げている。



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