●不確定性原理について

 量子力学にまつわる不思議な性質として、不確定性原理がよく話題にされる。ある粒子の位置と運動量を同時に知ることはできないというものだ。不確定性原理については、多くの学者の間でさまざまな解釈が戦わされてきた。コペンハーゲン解釈や多世界解釈などの名称を聞いたことがある方もおられよう。
 だが、ここまで読んでこられた読者にはもう不確定性原理の原因はお分かりだろう。虚4次元の回転を3次元で完全に測定することは不可能なのだ。3次元空間のある位置に粒子があるとする。その位置は完全に確定できる。だが、この粒子の虚4次元での回転の状態すなわち運動量はわからない。逆に運動量を確定させるには虚3次元の回転を確定させねばならないが、この回転は実次元では平面上である。xy座標で完全な円を描いても、その平面がz軸方向に揺らぐという状況が起こりうる。

 また、プランク定数hについても既にお分かりだろう。光子の持つ量子エネルギーEは、プランク定数hと光の周波数νの積の整数倍という関係がある。式に表わせば

E=nhν

である。コーシーの積分公式によれば、虚次元回転の回数に比例してエネルギーが湧いてくるのだった。
 角運動量と周波数を掛けると、エネルギーの単位になる。量子力学を学んだ人は次のように考えたことが一度はあると思う。「プランク定数hって、あちこちの数式に出てくるけど、いかにも角運動量って単位になる。なぜなんだろう?」と。つまり、虚次元で1回転した時の角運動量に相当するのだ。



[前へ]  [トップページへ]  [次へ]