ローレンツ変換は、20世紀初頭に古典力学と電磁気学の矛盾を回避するために導出された。静止した座標系と等速度運動する座標系があるとする。この二つの座標系に対し、マクスウエル方程式が同じように成り立つためにはどのような条件が必要か?そうして導かれたのがローレンツ変換である。アインシュタインはこの二つの座標系間の光の相対速度を問題にしたが、ローレンツはこの二つの座標系間の電場や磁場が従うべき変換規則を問題にした。磁場の湧き出しがないという条件のもとでは、それがローレンツ変換になるのである。
ローレンツ変換と同時に、驚くような結果も導かれる。磁場の一部が電場に変換され、また電場の一部が磁場に変換される。これはまた興味深い話ではないか。ローレンツ変換が虚4次元の回転角で数学的に表わされるのは既に見たとおりだ。電場と磁場は直交している。つまり、電場と磁場が直交したまま虚4次元で成分を交換しながら回転していることになるわけだ。これは電磁波は虚4次元の回転だと言うのと同じことではないか?
なお、次のインターネットサイトを参考にさせていただいた。
余談だが、特殊相対性理論と一般相対性理論の違いについて、私はごく大雑把に考えている。特殊相対性理論は、直進運動する座標系を仮定した理論である。一般相対性理論は、加速度運動する座標系を仮定した理論である。光の本質について考察したとおり、光は回転運動する存在だ。回転運動は加速度運動の一種である。よって、光を含む多くの回転運動する現象について、一般相対性理論のほうが適応範囲は広いのではないか。