●「位相公転」を定義する

親球列の各親球の軌道自転の位相が正弦波状に分布している状況をイメージするために、自然界に類似物を探すことにする。写真はネジバナの花序だ。

ウィキペディア:ネジバナ
ネジバナ

ひとつひとつの花が親球に相当し、花茎が太陽表面軌道に相当すると想像してほしい。個々の花の花茎周りの角度を、親球の軌道自転の位相と考える。この位相は花茎の軸方向に正弦波状に分布している。

次に、ネジバナの花茎を軸回りにくるくると回転させたと想像してほしい。ネジバナの花序がこの操作によって軸方向に移動することはない。だが、花茎が回転していることを知らずに見ている人は、花序が軸方向に移動したと錯覚するだろう。
次に、その状態でネジバナの花茎が円環状になっていると想像してみる。花序の見かけの移動は円軌道上の軌道公転に見えるだろう。しかし、実際には花序はその場から移動してない。変化しているのは個々の花の軌道自転の位相だけだ。花序の軌道自転の位相は花茎の軸方向に正弦波を作っているが、この正弦波が花茎の軸方向に移動しているように見える。このように球列の軌道自転の位相が作る正弦波が円環状の軌道を進行することを、今後は「位相公転」と呼ぶことにしたい。太陽表面軌道の親球列は、親球列の個々の親球が軌道自転することによって位相公転する。


ところがややこしいことに、一般に球列は軌道自転するだけでなく同時に軌道公転もする。「軌道自転しながら軌道公転」するのだ。軌道自転によって花序(親球列)がその場から移動することはないが、軌道公転によって実際に花序がその場から移動する。当然ながら親球列の軌道公転は太陽表面軌道の親球列の位相公転に影響する。位相公転とは、軌道自転と軌道公転の両方の作用による親球列の見かけの軌道自転位相の変化ということになる。「位相公転=軌道自転+軌道公転」だ。

軌道自転と軌道公転の両方の効果を合成せねばならないので、位相公転の角速度はわかりにくい。しかし、個々の親球の座標系でなく太陽の座標系で磁場の変化を表すためには、位相公転という考え方を使わねばならない。太陽の外から親球列の位相変化を計測したとき、観測されるのは親球の軌道自転そのものや軌道公転そのものではなく親球列の位相公転だ。各親球の軌道自転位相が並んでできた正弦波が、時間とともに太陽表面軌道を進行波のように位相公転する。

個々の親球の磁場は親球の軌道自転位相によって表されると考える。この磁場は太陽表面軌道に沿って正弦波状に分布する。外から見た太陽磁場の変化は、親球列の位相公転によって記述されることになる。それによって任意の緯度に位置する親球の磁場を、太陽中心角θと時間tの単純な関数として表すことができる。個々の親球の磁場は親球の軌道自転の位相に依存するが、親球は軌道公転しているから、外から見た親球列の磁場の変化は親球の軌道自転と軌道公転の両方に依存する。

電荷を持つ物体が観測者に対して相対速度を持つと、磁場や電場の観測値が違ってくる。それと似たような原理かもしれない。


太陽磁場をグラフ化するには、太陽磁場がどのような正弦波になっているかを知らねばならない。親球列の磁場を表す正弦波は太陽表面軌道の全長に腹がふたつと決まっており、定常波に似ている。ある瞬間観測者が極方向に太陽表面軌道を一周したとすると、S極とN極が必ずひとつずつ存在する。しかし定常波であるにも関わらず固定端でなく、波の腹や節が軌道上を移動する。以前グラフ化したとおりだ。

すべての親球が軌道公転せずに1回軌道自転したとすると、磁性を表す正弦波は太陽表面軌道を1周し、個々の地点の磁場はN極とS極の間を2回反転する。
しかし本当は親球は軌道自転と同時に軌道公転している。両者の周期は等しいと仮定すると、親球が1回軌道自転する間に親球は1回軌道公転し、磁性を表す正弦波は太陽表面軌道を2周する。そして、個々の地点の磁場はN極とS極の間を4回反転する。

親球の軌道自転と軌道公転の方向によって、「軌道自転による位相公転」と「軌道公転による位相公転」が同方向の場合と逆方向の場合とがある。太陽磁場においては、両者は同方向だ。しかも、周期が等しいから両者が位相公転の周期へ与える影響の大きさは等しい。その結果、親球列の位相公転の周期は軌道自転や軌道公転の周期の半分になっている。
なお、仮に「軌道自転による位相公転」と「軌道公転による位相公転」が逆方向の場合、両者の周期が等しいとすると、親球列の位相公転の周期は無限大になる。言い換えれば、親球列は軌道自転しながら軌道公転しているにもかかわらず、位相公転の位相が見かけ上静止していることになる。


太陽表面軌道は2本存在するが、2軌道の親球の磁場の強さは同緯度では等しいと思われる。太陽表面磁場の分布は球面らせん軌道が1本だけのときよりも複雑になるが、特に問題にすべきことはないだろう。

位相公転で記述できる親球の軌道自転角度は1種類だけではない。親球には赤道方向の軌道自転と極方向の軌道自転があるから、最低でも2種類の軌道自転角度を別々に位相公転で記述できる。親球が励起していれば4次元の軌道自転角度も位相公転で記述できるだろう。親球中心軸の方向変化なども記述できるかもしれないがよくわからない。親球の赤道方向の軌道自転は、今回のように太陽緯度と太陽磁場の関係を単純に平面座標で記述するときには考えないでいい。


今まで太陽表面軌道の親球列の磁場について述べてきた。次に親球表面軌道の子球列の磁場について述べる。太陽表面軌道の親球列と基本原理は変わらないが、親球表面2軌道を分けて考えねばならない。

ややこしいことに、親球表面2軌道の磁場の強さは同じ親球緯度でも違うらしい。2軌道の子球列の磁場には互いに90度の位相差があるようだ。親球中心角をθとすると、片方の軌道の磁場をsinθで、もう片方の軌道の磁場をcosθで表すことができる。したがって、親球の表面磁場分布はかなり複雑になる。(sinθ+cosθ)は√2sin(θ+π/4)に変形できるから、振幅と位相が変わるだけで、合成磁場の反転周期が変わったりはしない。しかし、1本の太陽表面軌道の親球列がふたつの別々の磁場の系列を持つことになる。巨視的に太陽磁場を見るときはこの2系列の存在はたいして問題にならないが、微視的に親球磁場を見るときはこの2系列の位相差が問題になる。特に子球の合体による黒点の生成に直接影響する。

なお、ある球列の位相公転の速度を軌道公転の速度と間違えて観測すると、光速を超えているように見える可能性がある。



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