●宇宙人バシャールが教えるフリーエネルギー装置が、阪大・信大グループの発見した「多重共鳴」原理により実現可能となった(6)
変換室

 次にフラクタルアンテナの変換室の考察に移る。扱う波動は音ではなく電磁波である。従ってヘルムホルツ共振器は使えず、導波管を使う。導波管とは、電磁波が内部を反射しながら進む金属管と考えてよい。女王の間の共鳴機構を模した導波管を作ることが与えられた課題である。そのために、黄金比を保ちながら順々に小さくなる立方体が、黄金らせん状につながった構造体を考える。ヘルムホルツ共振の場合と違って、構造体の内部に仕切り壁は必要ない。この構造体の内面を導体で覆った導波管を仮定する。

 一般に、導波管の一端に電磁波を入射した場合どうなるか。答えは物理の教科書に書いてある。導波管の太さと形状が電磁波の波長に適合する場合のみ、電磁波は導波管に入射し、減衰せずに他端に到達する。適合しなければ、入射しないか途中で急激に減衰してしまう。

 女王の間の音響共鳴では、黄金比は実は必須条件ではなかった。たとえば隣り合う小部屋の大きさの比が黄金比から多少ずれても、ヘルムホルツ共振器の特性上、最初の部屋から最後の部屋まで音はちゃんと伝わるだろう。だが電磁波と導波管を考えた場合、隣り合う立方体の大きさの比は厳密に黄金比でなければならない。それが、最初の立方体に入射した電磁波が最後の立方体まで伝わるための必須条件になる。

 黄金らせん状にした立方体構造体には、次のような性質がある。ある立方体の辺長は、次の立方体の辺長とその次の立方体の辺長との和に等しい。数式にすれば

 (φの2乗)=φ+1

と表わされる。黄金長方形の図を見れば、視覚的に理解できる。

 ここで仮に、最初の立方体(n=1)に電磁波が入射したとしよう。2番目の立方体(n=2)と3番目の立方体(n=3)は一直線に並んだ導波管経路を持ち、なおかつその経路長は最初の立方体の辺長に等しい。よって、(n=1)の立方体に電磁波が入射可能であれば、(n=2)と(n=3)の立方体にもこの電磁波は入射可能である。同様に(n=2)に入射した電磁波は(n=3)と(n=4)にも入射可能である。これを繰り返せば、最初の立方体に入射した電磁波は最後の立方体にまで到達可能な理屈になる。このとき最初の入射波の波長と最終的な出力波の波長は異なる。(n=2)に入射した(n=1)の電磁波は、(n=2)の立方体内でその辺長に適合した高周波数に変換される。この過程が繰り返され、導波管の持つハイパスフィルター機能と相まって、最終出力される電磁波は入力波よりもはるかに高周波になる。

 この技術は、多重共鳴とはまた別の電磁波周波数変換技術として利用可能である。この装置には可動部分がなく、電気回路を組む必要もない。最後の立方体の辺長に波長が適合する電磁波のみが、最終的に出力される。電磁波の減衰は多そうな気もするが、実際に測定してみなければわからない。この装置の作製には超精密加工技術が必要と思う。フラクタルアンテナでは水素原子を励起させられるレベルの超高周波への変換が求められるので、ナノテクノロジーの分野に分類せざるを得ない。

 以上でバシャールのフラクタルアンテナの全体像が明らかになったと思う。装置の寸法は、水素原子を励起させる電磁波の波長から計算して決められるだろう。「低次アストラル界の周波数」が不明なので、試作と実験を繰り返す必要は無論ある。だが、新エネルギーの開発に投じる労力としてはかなり少ない部類に入るはずだ。

 この技術が、一部の人々に独占されることなく実用化されることを切に願う。



[前へ]  [トップページへ]